『食でととのう~サウナ好き管理栄養士が思うととのいとは~ vol.20』

管理栄養士      ~第20回 冷え対策でととのう~

今月は“実践できなかった月”からの『気づき』

これまで約1年間、毎月テーマを決めて実践してきたこの「ととのう」シリーズ。

しかし今月は、正直に言うと――ほとんど実践ができませんでした。

意識的に体をととのえる時間を取れたのはほんの数回のウォーキングだけ。

それも2〜3回と少なく、例年よりも体の“冷え”を感じることが多い月になってしまいました。

けれど、この「できなかった」経験が改めて “冷え”と向き合うきっかけになりました。

冷えが引き起こす、見えない不調の連鎖

冷えとは、単に「寒い」「手足が冷たい」という感覚だけではありません。体の深部の血流が滞ることで、体全体にさまざまな悪影響を及ぼします。

・代謝が落ちて疲れやすくなる

・肩こり・頭痛・腰痛が慢性化

・消化機能が低下して便秘や胃もたれに

・ホルモンバランスが崩れて月経トラブル

・アレルギーや肌荒れが悪化

「なんとなくの不調」は、冷えが根本にある場合が少なくありません。

特に現代人は、冷たい飲み物・エアコン・ストレス・睡眠不足など、冷えの原因に囲まれた生活を送っています。

冷えを放っておくと、体温が下がり、免疫力までも低下してしまいます。

 

食で整える「温め体質」

冷え対策の基本は、まず “内側から温める” ことです。

冷たいドリンクやサラダ中心の食事を控え、温かい食事を意識するだけでも変化があります。

私が意識しているポイントはこの4つです。

①「陽性食材」を選ぶこと

しょうが・ねぎ・にんにく・シナモンなど、体を温める香味野菜を積極的に。

加熱して摂ると、冷えにくい体づくりに役立ちます。

 

②根菜類をたっぷりとる

れんこん・ごぼう・にんじん・かぼちゃなど、地中で育つ野菜は体を温める力が強いです。

煮物やスープにすると、胃腸にもやさしく、満足感も得られます。

 

③たんぱく質をしっかり摂る

肉・魚・卵・豆類などは熱を生み出す材料になります。

冷えを感じやすい人ほど、炭水化物に偏らないよう意識することが大切。

 

④飲み物を“常温以上”に

夏場に限らず、氷入りのドリンクは内臓を冷やします。

白湯・温かいお茶を選ぶだけで、体の中の巡りが整います。

 

「温める」ことは、体感的な話ではなく、代謝・免疫・ホルモンといった体の基盤を支えることに繋がります。

 

少しでも“動く”ことが大切

今月、唯一続けられたのがウォーキング。

といっても、2〜3回ほどで「続けた」と胸を張れるほどではありません。

それでも、歩いた日は確かに体がぽかぽかと温まり、血の巡りがよくなるのを実感しました。

冷え対策では「運動=激しいもの」というイメージがありますが、“少し動く”だけでも十分効果があります。

ポイントは、背筋を伸ばして姿勢を意識する。手先・足先をしっかり動かす。たった15分でも、体温は0.5〜1℃上がります。

今月できなかった分、来月はもう少し“歩く時間”を大切にしたいと思います。

 

今月のととのい場所:【番外編】地元・北海道で石狩天然温泉 番屋の湯(北海道・石狩市)

今月は地元・北海道に帰省していたこともあり、番外編として訪れたサウナをご紹介します。

それが、「番屋の湯」。

こちらは、茶褐色の天然温泉が自慢の温浴施設で、なんとカピバラに出会える温泉としても知られています。

(タイミングが良ければ、温泉に入るカピバラに会えるかも!)

サウナは90℃前後としっかり熱く、湿度高めで発汗がスムーズ。

露天スペースも広々としていて、北海道の冷たい風に当たりながらの外気浴はまさに格別です。

 

今月のまとめ:できなかった月の気づき

今月は「実践できなかった」と反省する部分もありますが、

その分、「冷え」は放っておくと不調を招く。そんな基本に立ち返ることができました。

冷えを防ぐには、内側から温める食事や少しでも体を動かすこと、リラックスして血流を整える(=サウナも◎)、この3つを“意識する”だけでも、十分なスタートです。

これからの季節、ますます寒さが厳しくなります。

無理のない範囲で「温める」習慣を生活に取り入れて、心も体も穏やかに“ととのえて”いきましょう。

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